先人の技の素晴らしさに魅せられ、着物コレクションを始めてしまいました。-
    3000枚の着物たちに託された思い、布の有る喜びをとどけます。

大島紬

誰でもわかる紬の王様

衣ずれが魅力の大島紬

 着物と言えば紬、紬と言えば大島紬。
 普段着でも高価な大島紬など手が届かなかったし、私も1枚はほしいと憧れでした。あのシュッシュッと衣ずれの音がたまらない。着ていると誰もが「大島ね」と分かってくださる。
 若いころは「たれもの」(縮緬、綸子など)で、身体に添う着物が好きだった私ですが、今ではその魅力にひかれ100枚近く集めました。

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需要に流される製法

 明治の初めまでは現在の結城紬とまったく同じ製法で手触りも柔らかく、大胆な大柄が多くありました。名前はそのまま「紬」の名が付いていますが、今では紬糸は使われていません。 
 大島紬の特徴は、締機(しめばた)を用いて仮織りをしてから染めて絣糸を作ります。経糸の綿糸で図案に合わせながら絹糸を強く締めます。泥染めではテーチ木(車輪梅)で20回以上染め、泥田で3~4回泥染めをし、それを繰り返す。織りでは5センチほど織っては絣のズレを1本1本丹念に針で動かして合わせると、不鮮明だった模様がくっきり浮き出てくる。
 こうしてできた渋い光沢のある、精緻な柄の反物が本場泥大島紬です。その他色大島、白大島、夏大島などがあります。

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 今回展示の中に、大変手の込んだ珍しい着物が3枚あります。
 3枚とも趣はずいぶん違いますが、同じ製法です。それは産地を同じにしない昭和初期の村山大島紬で、市松に精緻な大島柄を織り出し、白地の部分に2種類の絞りを入れた着物で、パッチワークのように見えます。

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紬糸 / くず繭から真綿(まわた)を作り、その真綿を手でひっぱり、撚りをかけながら紡いだ太くて節のある糸。

057b.jpg笹の葉織り出し 昭和初期058.JPG061.JPG060.JPG062b.jpg亀甲に花織り出し 昭和中期
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