モスリンとビーズバッグ
快適な着物生活のために消えるもの、生まれるもの
日本で最初の毛織物、モスリン
モスリンは幕末に舶来品として輸入され、日本で最初の羊毛100%単糸の平織りで1番単純な毛織物です。
軽くて暖かく、肌触りが良く通気性も良い。汚れにくく、しわになりにくい。発色がよい。と、良いことづくめです。明治20年代に上流階級から一般婦女子にも愛用されるようになると、日本でも生産量が増加し、輸出されるようになり、大正5年にはモスリンの輸入がゼロになりました。戦後は東北や北海道など寒い地方を中心に多く利用されました。
しかし、虫に食われやすく、今ではほとんど作られていません。私も色合いに魅せられ少し収集し、ほかのコレクションと別の場所で保管してきましたが、モスリンの収集をやめることにしました。やめて処分する前に皆様にご覧いただくことにし、子ども着物、女着物・羽織、男・女長襦袢、端裂など50点ほど展示いたしました。
着物姿を引き立てる大切な脇役
モスリンだけではさみしいと思い、ビーズの和装バックをガラスケースに30点ほど展示しました。
ビーズバックはデザインに合わせ何十色ものガラス玉を1粒1粒編み込んだり、刺繍のように布地に縫いとめる作り方です。
東京日本橋三越本店で以前見たビーズビックは、外国帰りの作家さんがデザインして作られたバックでしたが、高いものは200万円の値札が付いており、びっくりしました。図柄はパリの街並みを絵画風に表わし、沢山の色のビーズの玉を使い分け素敵なバックでした。
このバックのように同じ製法で手間暇かけて作られているバックを見ると、ついついほしくなり、収集してきたバックたちです。