先人の技の素晴らしさに魅せられ、着物コレクションを始めてしまいました。-
    3000枚の着物たちに託された思い、布の有る喜びをとどけます。

矢羽文様(矢絣)

銘仙、紬、縮緬、、、、、何にでも変幻自在

キリリとしたハイカラさん

 矢絣は日本では非常に古くから使われている矢羽を図案化した文様です。
 江戸時代には結婚の際に矢絣を持たせると出戻ってこない(射た矢が戻ってこないため)と言われるようになり、縁起柄とされるようになりました。現在でも大学の卒業式の際に、袴と合わせる着物の柄として人気があります。

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 昭和30年前半、テレビがなく、映画が全盛期の頃、私は東映の時代劇が大好きでした。
 映画の中でお殿様、お姫様がでてくると必ず腰元(御世話係)が紫と白の矢絣を着ていました。何十人、何百人の腰元がお揃いの矢絣を着て長刀をふるう。こんな場面を見て、私も着たいとあこがれたものです。今、矢絣を着ているのは、志村けんのバカ殿様に出ている腰元くらいですけどね。

003.jpgタンスの中からお目見え

005.jpgハイカラさんの卒業式(向かって右)・若嫁さん(左)

その時代へタイムスリップ

 矢絣の事でもう一つ、最近なつかしさに思わず買った物(製造工場から出た新古品)に、1個のアンティークのティーカップがあります。 やはり昭和のあの頃、実家の戸棚にただ1セットあったカップにそっくりでした。
 深緑色に「崩し矢羽の模様」が1つ描かれています。それに母が大好きで時々着ていた錦紗の着物の色も柄もそっくりだったことを思い出しました。
 こんなふうに、すっかり忘れていた幼い私を思い出させてくれてありがとう。矢絣さん!

061.jpg母の着た「崩し矢羽模様」

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