先人の技の素晴らしさに魅せられ、着物コレクションを始めてしまいました。-
    3000枚の着物たちに託された思い、布の有る喜びをとどけます。

袱紗(ふくさ)百点

人々を魅了する小さな宇宙

帯や着物にも引けを取らない技法の集積

 現在使用されている袱紗と言えば、袷袱紗(家紋の付いた裏付きの風呂敷)や金封袱紗、お茶席での袱紗くらいだと思われますが、袱紗は元々贈り物を届ける時、その道中での日よけ、埃よけが目的であり、体裁上布で覆ったり風呂敷のようなもので包まれていました。
 江戸時代になると布が立派になり、元禄の頃には裏を付けた現代の形になりました。袱紗を作る技法は、織り、染、刺繍、絞りどれをとっても帯や着物にひけを取るものではありません。最高の布で送り主の贈る心をこめ、美的要素を付け加えた絵柄の袱紗が作られるようになりました。

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 私はこの袱紗に目を奪われコレクションの1つとして収集をはじめました。ほぼ正方形の空間に、バランス良く織り出し、描き出し、さし縫いされていて、本当に額に入った一幅の絵と見間違えるほどです。

季節や人生の節目の彩り

 婚礼の際に誂(あつら)えられた大小揃いの柄袱紗、家紋入りの絞り袱紗、小風呂敷として使いたくなる手袱紗、文様も、松竹梅や鶴亀、高砂のほかに、喜寿のお祝いや 男児の誕生祝い「竹の子」や初節句「菖蒲の葉」等のようにと、その時その時に込められた思いを感じます。
 100枚以上の袱紗を展示し観賞していただきました。袱紗の珍しさに、友達を誘って再訪された方も何人かありました。

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_DSC3325b.jpg「両面絞り小袱紗」

「両面絞り小袱紗」は、家紋、裏は松、竹、梅、鶴などのおめでたい模様が絞られています。上の写真のような匹田絞(ひったしぼり、1粒ずつたたんで8回くらい糸を巻いていく)は1日に絞れるのは300粒と言われています。一枚何日かかるかな。

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